昔の話。
中学生のある日。
頻繁に行っていた釣り具屋さんで、
スゴイ「釣り情報」の貼り紙が出た。
「○月●日 △池でブラックバス15尾ヒット」
当時ブラックバスは憧れの魚。
1尾釣れただけでもヒーローの時代。
当時ルアーフィッシングに夢中だったが、
まだ1尾もブラックバスを釣ったことがなかった。
△池には何度か行ったことがあり、
前に同級生と出掛けた時は
彼には釣れて私はボウズ。
とても残念な思いをしたあの△池。
釣り具屋の店員さんに状況を聞いていたところ、
偶然にも「15尾のブラックバスをヒットさせた」ご本人が来店。 (@_@)!!
年齢は私と同じ位。
私は初対面の彼に
何も質問しなかった。
当然「一期一会」の出会いはそのまま。
私は「恥ずかしくて」ではなく、
「くだらないプライド」が邪魔をして
彼に質問ができなかった。
今の私なら、
「とにかく1尾でもブラックバスが釣りたいから教えて!!」
「よかったら一緒に釣りに行って教えて欲しい」
とその場で頼み込む。
本当にセンスの悪い私だった。 (-_-メ)
結局・・・
私がブラックバスをヒットさせることができたのは
それから3年後。
本が頼りの『独学』は
3年間も余分な時間を費やした。
その数年後。
大学生になった私は、
通学途上に「ルアーショップ」がオープンしたのを発見。
常連になった。
釣りの腕は相変わらずパッとしない、
「ヘタの超横好き」(笑)。
常連の1人とすっかり仲良くなった。
彼は同級生。
すでに社会に出ていた。
釣りのセンスは抜群。
彼とは度々釣りに行ったが、
発想、ひらめき、根性、集中力、全てが学ぶことばかりだった。
彼とは釣りのチームを創り、
切磋琢磨させてもらったおかげで
ブラックバスも釣れるようになった。
ある時彼と昔話になり、
釣り具屋さんの貼り紙
「○月●日 △池でブラックバス15尾ヒット」
に衝撃を受けたという話をした。
すると彼が
「それは俺だよ」と。
なんと!!
彼は中学生の時に釣り具屋さんで会っていた、
あの「ご本人」だった。
もしあの時私が
「とにかく1尾でもブラックバスが釣りたいから教えて!!」
「よかったら一緒に釣りに行って教えて欲しい」
と頼んでいたら・・・。
彼のセンスから見ても
「ブラックバス15尾ヒット」は本物。
もっと早く友達になれていたし、
ブラックバスも釣れていた・・・。
今では彼と交流はないが、
「センス」について考える時、
いつも『あの時』のことを思い出す。